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  • 執筆者の写真Admin

大切なことはみんなカフェが教えてくれた


昨日の12月25日、クリスマス。

いつもの西日暮里のカフェで、毎年恒例の「あわてんぼうのクリスマス会」。

今年はクリスマス当日に開催だから全然あわててないわけなんだけど、

会の最後にはみんなで『あわてんぼうのサンタクロース』を歌うから、

やっぱりあわててるっていうことで。


少し、西日暮里との出会いを書き留めておこうと思う。

この西日暮里のカフェ、通常は週に2〜3日程度、だいたい昼間にオープンで、

店主は絵描きのささささとみこと、”さささちゃん”。

私が初めてこのお店を訪れたのは、大阪のホテルの仕事を辞めて東京に移り住んだときだから、26,7歳の頃だったと思う。5~6年前になるか。


当時わたしは西日暮里のシェアハウスに住んでいて、通勤途中に見かけるカラフルなシャッターのお店を認識してはいた。だけど通るときはいつでも閉まっていて、中々お店を覗くことはできないまま。カフェだということも知らずにいた(というか今でも通行く人は気づいていないと思う 笑)。


ある日、早番で仕事を終えて帰路につくと、茶色の小さな扉が開いているのに気づいた。いつもは閉まってるシャッターも開放され、こじんまりとしたカラフルな空間の中に大きなお団子のお姉さんが立っている。お店前にはイーゼルに立てかけられた『さささカフェ』の看板。


(カフェなんだ。誰もお客さんはいないみたいだし…入ってみようかな)


ちょっと迷ったけれど、勇気を振り絞ってお店に入った。

お団子のお姉さんが振り返って、少し間があいた後、


「おかえり」


そう言って迎えてくれた。

これが、さささカフェと私の出会い。


それから同い年という話で盛り上がって、福島出身でなにか地元にゆかりのあることをしたいと話したら、じゃあこのスペースで福島の会をすればいいんじゃない?ということになって、あれよあれよと言う間に第一回の「福島のご飯会」を開くことに。

お料理担当のハルカちゃんにも手伝ってもらって、汗かきながらも会を開くことができたのでした。なつかしい。(ちなみにハルカちゃんも今月店長としてカフェをオープン!)。


ここに遊びにくるようになってつくづく思うのが、続けることの大切さ。

小さな場所で、カフェなんてはじめてやる女の子たちが、わからないながらも試行錯誤して、かれこれもう7年ほど続いている。すごいことだと思う。

しかも私が一番素敵だと思うのは、やってる本人たちが楽しそうにしていること。

もちろん大変なことも辛いことも、もしかしたら意見が合わないこともあるだろうけど、自分たちのペースで、いつもにこやかに朗らかに優しい笑顔でお店に立っているのだ。

そのせいあってか、お店には文字通り老若男女が通い集う。


似たような空間をもうひとつ知っている。

淡路島でアルバイトさせてもらっていた『アート&カフェ ナフシャ』だ。

そこはご夫婦で切り盛りされていて、「先生」と呼ばれ親しまれている現代美術家の旦那さんと、お料理担当の智美さんという奥様のお店だった。

芸術肌のご夫婦だからか、会社勤めをしている人間とは違ったルールで生きていて、それが私にはとても心地よかった。先生の回答は基本「いい感じでお願い」だ。

(残念ながら数年前に先生は他界し、今は閉店となっている)


さささカフェにもナフシャにも、どこかしら似た「血の通ったあたたかさ」が感じられる。

資本主義社会というOSだけで考えると、たぶん(というか絶対に)食べてくのは難しい。

だけれどそんな冷たい鉛みたいな硬直した概念を受け止める柔軟さが、そこにはあるのだ。楽しそうに働く、ということ以上に最強のスキルを私は知らない。 (ちなみに「それって食べていけてるの?」というお決まりの問に対しては「うん!ガリガリに痩せてるわけじゃないから、食べてけてる!」というのがさささカフェ的回答)


震災後、いろんなことへの回答が分からなくなって、何が正しいのか違うのか、その一切を自分の頭で考えなければいけないような気でいた。自分で考えるということの大切さを学ぶ一方で、違いを受け止めることの難しさも目の当たりにした。

震災後の私自身のテーマが「衣食住」だったので、そのための学びは惜しみなくした。一般的に「仕事」と言われるワークは、私にとっては収入を得るための副業でしかなかったし、だからこそ本当にやりたいことのために軽々しく転職もした。15社くらいは経験したと思う。


でもどんなに社歴を重ねても、いつも思うことは唯一つ。楽しくなければ続かない。

しかも楽しさは自分でつくる他ない。そして、楽しくて笑顔のあるところに人は集まるということ。日本人は特にこの「楽しさ」の解釈が上手にできていないように思う。

これから私は「副業」を卒業して、本当にやりたいことで食べていきたい。

さささカフェみたいな朗らかさと、ナフシャみたいな「いい感じ」さに少しでも近づけるような、そんな生き方をしたいと思う。



いつかのメリークリスマス@西日暮里

発明工房を改装した、アート&カフェ ナフシャ



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